果物がもっと好きになる 「小夏と文旦の深い関係」
野菜ソムリエ 知久幸子さん vol.465
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こんにちは!野菜ソムリエの知久です。
5月も半ばを過ぎ、日本各地で30度を越える日も出てきました。そんな暑い最中、高知県の土佐文旦農家は、花粉をつける交配作業に大忙しです。土佐文旦は仄かな苦みと爽やかな味わいが特徴的な、高知県民のソウルフード。実は、自身の花粉では受精しにくい性質を持っています。そこで必要になってくるのが小夏の花粉です。小夏は、直径5㎝ほどの小玉柑橘で、酸味のある果肉と甘みのある白い甘皮部分が特徴的な柑橘。開花前の小夏の蕾を収穫し、花粉を集め、タンポと呼ばれる専用器具を使って、ひとつひとつ人工受粉させていきます。それも1回でなく日を変えて3回も!繊細かつ気の遠くなる作業ですね!そのため、土佐文旦農家では小夏を一緒に栽培し、文旦の人工受粉が落ち着く5月下旬から小夏の出荷作業に入る方が多いとか。売り場で小夏を見かけたら、そんな話を思い浮かべながら手に取って貰えると嬉しいです。
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野菜がもっと好きになる「山口県のゆめほっぺ」
野菜ソムリエ 知久幸子さん vol.459
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こんにちは!野菜ソムリエの知久です。
愛媛県には、紅まどんな・甘平・媛小春などのオリジナルブランドがありますが、他県にはどんなオリジナルブランドがあるのだろうか?と考えていた矢先に、物産展で山口県の「ゆめほっぺ」を発見しました!「ゆめほっぺ」は商標登録名で、品種名を「せとみ」と言います。山口県といえば、瀬戸内海を挟んで愛媛県との間にある周防大島のみかんが有名ですね。「せとみ」は山口県農林総合技術センターが昭和56年から新品種の育成に取り組み、「清美」と山口県原産の「吉浦ポンカン」を掛け合わせて、20年以上の歳月をかけて育成した山口県オリジナル品種です。JA山口大島の選果場で厳格に選別されたものが「ゆめほっぺ」として出荷されます。実際に食べてみたところ、濃厚な甘さが口に広がり酸味は殆どなく、プチプチとした食感や皮のむきやすさは、不知火に似ていました。見かけたらぜひ一度味わってみてくださいね。
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みかんでもっと笑顔になる 「デコポン」
野菜ソムリエ 玉之内祐子さん vol.487
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こんにちは。野菜ソムリエの玉之内祐子です。
ちらほらと春の気配を感じる季節になりました。3月に入るとデコポンがたくさん出回りますね。ちょうど本日3月1日はデコポンの日。デコポンが熊本県より初めて出荷され、東京の青果市場で取引されたのが1991年(平成3年)3月1日だったことに由来して日本園芸農業協同組合連合会が制定しました。プチっと弾けるジューシーな果肉に甘味と酸味の絶妙なバランスで一躍人気者になったカンキツです。最近では匠の技で育てられたブランドデコポンや枝代わりの新品種なども見かけるようになりました。ハウス栽培のものは12月ごろから出回りますが、露地栽培のデコポンの旬は3月~4月とまさにこれから。少しずつ日照量も増えるこの時期に太陽の光を浴びて育つデコポン。毎年楽しみにしている方も多いはず。常温保存もできますが、ひとつずつポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保管すると少し長く楽しめるのでおすすめです。
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みかんでもっと笑顔になる 「はるひ」
野菜ソムリエ 玉之内祐子さん vol.485
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こんにちは。野菜ソムリエの玉之内祐子です。
かんきつシーズン真っ最中。最近私が出会った品種をご紹介します。「いずのはる(はるひ)」というかんきつで、食味が優れる「カンキツ興津46号(「スイートスプリング」×「トロビタ」オレンジ)」と香りのさわやかな「阿波オレンジ(「ヒュウガナツ」×「トロビタ」オレンジ)」の交配で生まれた新品種です。品種名は「はるひ」なのですが、全国でも生産量が少なく、集約的に生産しているのが伊豆地方だけということで、「いずのはる」として出回ることが多いそう。日向夏に似たさわやかな風味があり、多汁で糖度も高く(13度程度)、適度な酸味あり。果実は平均150g程度で、形はまん丸に近く、果皮の色は黄色から橙黄色。2月から3月にかけて伊豆の河津桜が咲くころに旬をむかえます。種が入りやすいこととじょうのう膜が少し厚めなことが玉に瑕ですが、風味と食味がいいのでぜひ一度試していただきたい品種のひとつです。
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みかんでもっと笑顔になる 「媛小春の季節」
野菜ソムリエ 玉之内祐子さん vol.484
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こんにちは。野菜ソムリエの玉之内祐子です。
寒さが厳しい2月ですが、晩柑の季節でもありますね。かんきつ王国・愛媛県では新しい品種の開発が盛んです。新柑橘3兄弟として紅まどんな・甘平と同時期に品種登録された「媛小春」をご存じでしょうか?他の2つに比べて知名度が低いのは、その生産の難しさから圧倒的に生産量が少ないため。ただ、味は抜群でぜひたくさんの方に知っていただきたい品種です。「清見」と「黄金柑」を掛け合わせて選抜され、2008年に品種登録されました。果皮は美しいレモンイエロー、その酸っぱそうな見た目とは裏腹に酸味がなく上品でコクのある甘みで、私はこのギャップに心を鷲掴みにされました。小ぶりなサイズで温州みかんのように手で皮が簡単にむけるので、食べやすいのも魅力です。希少品種ではありますが、今年はミヤモトオレンジガーデンさんの媛小春が豊作だそう!ぜひ旬のおいしさを味わっていただければと思います。
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みかんでもっと笑顔になる 「いよいよ本格的な中晩柑シーズン」
野菜ソムリエ 玉之内祐子さん vol.477
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こんにちは。野菜ソムリエの玉之内祐子です。
12月も中旬を過ぎ、今年も本格的な柑橘シーズンに突入です。温州みかんをはじめ、高級柑橘・紅まどんな、はれひめ、いよかん、ぽんかん、はるみ、でこぽん、せとか、甘平、文旦、はっさく、などなど食べたい中晩柑が目白押しです。なかでもやはり人気なのは今まさに旬をむかえている紅まどんなではないでしょうか。薄く繊細な皮に包まれたみずみずしくジューシーでとろけるような果肉。何度食べてもまた食べたいと思ってしまう魅力があります。1年にわずかな期間しか獲れないという希少価値の高さも絶対に食べ逃さないぞと毎年楽しみにできていいですよね。クリスマスや年末年始など前菜やデザートとして、単品でもかなり満足感があっておすすめです。重ための食事に上品な甘みと柑橘のさわやかさがすっきりとした彩りを添えてくれるはずです。私はここ数年、毎年お年賀に使ったり、いただいたりしていてとても重宝しています。
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みかんでもっと笑顔になる 「食いしん坊の日」
野菜ソムリエ 玉之内祐子さん vol.463
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こんにちは。野菜ソムリエの玉之内祐子です。
9月14日は9(く)1(い)4(し)の語呂合わせから食いしん坊の日なんだそう。私も無類の食いしん坊なのでこの日にかこつけて、好きなものをたっぷり食べたいと思います。芋、栗、南瓜、秋刀魚、松茸…味覚の秋は食いしん坊にとって最高の季節。みなさんはどんな食材がお好きですか?私がこの時期おすすめしたいのが、すだち・かぼす・青ゆずなどの香酸柑橘類。いつも脇役でなかなか目立たない存在ですが、まさに今旬をむかえています。主役級の秋刀魚や松茸などをぐっと引き立て、よりおいしくしてくれる名脇役。キュッと酸っぱいクエン酸が夏の疲れを癒してくれる、そんな効果も期待できます。騙されたと思って箱買いしてみると、贅沢に何にでも絞れてかなり重宝します。余りそうなときは絞って冷凍を。果汁を氷として使えばさわやかな風味がチューハイや炭酸水にぴったりです。醤油に溶かしてポン酢風にするのもおすすめですよ。
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みかんでもっと笑顔になる 「夏の柑橘」
野菜ソムリエ 玉之内祐子さん vol.449
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こんにちは。野菜ソムリエの玉之内祐子です。
主に冬が旬の柑橘類ですが、あのさわやかなお味は暑い夏にこそ食べたいと思いませんか?そんな時、私たちの柑橘欲を満たしてくれるのが、甘夏や河内晩柑です。甘夏は早いものは1月頃から出荷がはじまり、ピークは3月から5月。量は少なくなりますが、6月、7月まで出回ります。また、河内晩柑は3月下旬頃から出荷が始まり、5月にピークをむかえ、こちらも少量ですが6月、7月まで出回ります。どちらも旬の後半である6月や7月のものは程よく酸が抜けて甘みを強く感じることが多いです。とはいえ、甘みと酸味のバランスがいい柑橘なので、暑い日や蒸し蒸しした日にさっぱりとした潤いをくれる果物として最適です。そのまま食べるのはもちろん、砂糖やはちみつ漬けにして、ヨーグルトと一緒に食べたり、炭酸水で割って飲んだりするのもおすすめ。
急な暑さでバテ気味な身体にフレッシュな柑橘の潤いをチャージしてみませんか?
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みかんでもっと笑顔になる 「媛小春」
野菜ソムリエ 玉之内祐子さん vol.435
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こんにちは。野菜ソムリエの玉之内祐子です。
今の季節に出回る黄色い果皮の柑橘…はるか、湘南ゴールド、日向夏など、いくつかありますが、その中でも大注目株「媛小春」をご存じでしょうか?
媛小春は紅まどんなや甘平と一緒に愛媛新柑橘3兄弟のひとつとして生まれましたが、栽培がとても難しいことから今でもとりわけ生産量が少なく、希少品種となっています。柑橘王国の愛媛県内でもまだまだ認知度が低いそうです。「清見」と「黄金柑」の掛け合わせで大変食味が良く、ひとたび食べると虜になること必至。上品でコクのある甘さとさっぱりとしたさわやかな香りを併せ持ち、温州みかんのように簡単に手で皮がむけ、薄皮ごと手軽に食べられるのも魅力のひとつです。ミヤモトオレンジガーデンさんは10年の歳月をかけてこの媛小春の育成に取り組まれ、今年、最高の媛小春の収穫に成功。ショップページから購入できますので、ぜひ短い旬をこの機会に楽しんでくださいね!
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果物がもっと好きになる「2月13日は土佐文旦の日」
野菜ソムリエ 知久幸子さん vol.415
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こんにちは!野菜ソムリエの知久です。
本日2月13日は「土佐文旦」の日です。土佐文旦は90%以上が高知県内で栽培されており、高知県民のソウルフードと呼ばれるくらい、県民にとっては馴染みの柑橘です。一部はお隣の愛媛県からも出荷されています。国内で栽培されている文旦類の1種で、文旦類の原産はマレー半島からインドネシアと言われています。グレープフルーツとは親戚という仲で、外見も似ています。鮮やかなレモン色で外皮が分厚いため、剥きづらい柑橘No.1と言えるかもしれません。爽やかな酸味とスッキリとした甘さ、ほんのり感じる苦味が特徴で、グレープフルーツほど酸味や苦味が強くありません。この土佐文旦独特の味わいの虜になる人も多く、分厚い外皮を突破し果肉に到達した時の感覚は、ゲームを攻略した瞬間の達成感に似ているかもしれません。ゲーム好きな方、ぜひ一度「苦難の先に待つお宝」をゲットしてみてはいかがでしょうか?
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